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杏林大学医学部 循環器内科学教室
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CCU(Coronary care unit)について

CCU(Coronary care unit)について

杏林大学医学部付属病院のCCU(Coronary Care Unit)は、循環器内科専門医が常時5~6名体制で診療にあたり、急性期の循環器疾患のすべてを担当します。3次救急として搬送される重症循環器疾患の初期対応から、1次・2次救急で入院適応となる患者さんの受け入れを行い、状態が安定して一般病棟へ移るまでの集中治療を担当しています。CCUチームの配属員は循環器の専門分野があり、虚血チーム、不整脈チーム、心エコーチーム、心不全チームが集合し、専門分野の知識を活かして治療に携わっております。急性心筋梗塞、不安定狭心症などの虚血性心疾患に加え、近年は重症心不全、心原性ショック、大血管疾患、重症不整脈など幅広い循環器救急を対象とするため、国際的にはCICU(Cardiac Intensive Care Unit)と呼ばれることも増えています。

対応する主な疾患

  • 急性心筋梗塞・不安定狭心症などの虚血性心疾患
  • 致死性不整脈(心室頻拍、心室細動、トルサード・ド・ポアン)
  • 急性心不全
  • 急性大動脈解離
  • 急性肺血栓塞栓症
  • 心筋炎・たこつぼ型心筋症
  • その他、敗血症性ショックやARDSなどの重症例

必要に応じてPCPS(VA-ECMO)やIABP、Impellaなどの機械的補助循環を導入し、集学的治療を行うことで救命率の向上を目指しています。当院は東京多摩エリア唯一の植込型VAD(心室補助装置)実施施設であり、より重症心不全の患者様の受け入れに対応しております。

地域連携と救急医療体制

杏林大学医学部付属病院は、ドクターヘリによる重症患者の搬送にも対応しており、遠隔地からの迅速な搬送を可能にすることで、広域に循環器救急医療の役割を果たしています。
さらに、当院には全国的にも先進的「ハイブリッドER」(Hybrid Emergency Room)を備えており、救急搬送直後から診断・血管内治療を一体的に実施できる環境が整っています。これにより、心肺停止患者や心筋梗塞など緊急性の高い症例に対しても、時間を無駄にせず迅速かつ最適な治療が可能です。 また、地域医療機関や救急隊との連携を通じて、多摩地域を中心に重症循環器疾患の患者さんを幅広く受け入れています。院外心停止や重症心不全など、緊急度の高い症例にも対応できる体制を整備し、地域の循環器救急医療を支えています。

教育と研究への取り組み

杏林大学CCUでは、臨床に加えて教育・研究活動も積極的に展開し、医療の質の向上と維持を日々心がけております。

  • 院外心停止シミュレーショントレーニング等を定期的に実施し、医師・看護師・臨床検査技師など多職種が協力して救命処置を行う体制を強化しています。
  • 最新の診療指針を反映した“心原性ショックプロトコール ウェブアプリケーション”を独自に開発し、診療の標準化と迅速な治療方針の決定に役立てています。