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杏林大学医学部 第二内科学教室 循環器内科
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新たに医師が入局いたしました。

新たに医師が入局いたしました。

2019.07.19

2019年7月より、新たに医師が入局致しましたので、ご挨拶をさせていただきます。患者様をはじめ、他科の先生方やコメディカルの方々、診療に携わる際には、よろしくお願い申し上げます。
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河野:令和元年7月に赴任いたしました河野隆志と申します。私はこれまで、心不全患者さんに最良の治療を提供するために、循環器内科内の診療チーム・他の診療科や職種の方々・院外施設(近隣実地医家から心臓移植専門施設)との緊密な連携体制を大切にしながら、大学病院で診療を重ねて参りました。心不全診療のニーズの極めて高い杏林大学付属病院における心不全チームには高いレベルでの臨床・教育・研究を実践する宿命があります。
臨床面では、循環器内科の各診療チームのサポートにより、隙のない高度専門診療を科全体として提供し、心不全予防・治療を実践します。重症心不全に対しては、補助循環治療から緩和ケアまで幅広い治療を提供します。心不全診療では、様々な専門性を有した医療者の集合知を要する場面が多々あります。一つの専門領域の視点で解決するのではなく、"複眼的思考力"をもって診療する文化を大切にしたいと考えます。また現場の声に常に耳を傾け、看護師・リハビリ専門スタッフ・管理栄養士・薬剤師・臨床工学技士・ソーシャルワーカーなどの多職種チームと共に、一人一人の患者さんの人生・生活・価値観に寄り添った最良の治療選択を考えていきます。
教育面に関しては、心不全専門医の育成はもちろんのことですが、循環器領域の様々なサブスペシャリティを目指す若手教育にも積極的に携わります。心不全診療は循環器医総合力を鍛えるためにまたとない好機です。身体的問題のみならず、精神的・社会的問題の把握・解決による全人的医療の提供が求められます。その実践には"患者さんや多職種チームとの信頼関係に基づいたコミュニケーション能力"が問われます。私がこれまで試行錯誤をしながら学んだ複眼的思考力やコミュニケーションの技術を伝えたいと思います。
研究は、心不全チームがより良い診療を提供し続けるために無くてはなりません。当院や私の前任地である慶應義塾大学病院などが中心となり始まった多施設共同心不全レジストリ (West Tokyo Heart Failure Registry [WET-HF]; 2006年開始、4000例の症例登録[WET-1]、2018年よりWET-2が開始)は、臨床研究コーディネータによる支援のもと、良質なデータベースとして現在も発展しており、我々の大きな強みです。 臨床現場に立ち続けている医師が診療で感じる疑問を解決すべく、研究デザインの立案・データ解析・学会発表/論文作成まで、当院のみならず、施設を越えた心不全・臨床研究の専門家で支援する体制を発展させます。"臨床研究の実践による問題解決能力"を身につけた医師の裾野を拡げるとともに、新たな知見を現場に還元し続けたいと考えております。
"複眼的思考力" "信頼関係に基づいたコミュニケーション能力" "臨床研究の実践による問題解決能力"を相互的に高める好循環を作り出すことは、時に曖昧な部分もある心不全診療において、自信を持って最善の治療を患者さんに提供するために必須と考えます。この好循環は、心不全パンデミックという未だかつて経験しない荒波を乗り越える確かな力をつけることにもつながり、まさに大学病院で醸成すべきものと考えます。心不全チームが益々貢献できるよう精進して参りますので、心不全診療に関わる全ての皆様の御指導・御鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

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